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  in  中国(チベット)
     
     絶景マヒ!西チベット紀行(準備・データ編)  
          
 
 
 
 
ラサに到着した数日後から高度順応を兼ね、西チベット行きの計画を立てるため市内の旅行会社を冷やかしに行く事にした。

チベットは大きく分けて3つの地区に区別する事がができる。四川省・青海省などの「東チベット」とラサ周辺の「中央チベット」、ネパール・インド国境北側に広がる「西チベット」だ。

その中でも私のメインはヒマラヤ山脈北側にカイラス山・グゲ遺跡などが点在する「西チベット」だ。
ただその地区は飛行機・列車などは通っておらずひたすら車を何日も走らせて要約見る事ができる『超僻地』で、立ち入る為には旅行許可証(パーミット)が何枚も必要な非開放地区であるため、容易に個人旅行はできない。道中には公安の検問もある。

前回のゴルムド−ラサ間同様、旅行者はいくつかの選択を迫られる。

@旅行会社を通じランクルをチャーター
一番手軽(しかし割高)でメジャーな方法がこれ。旅行社を通じれば簡単にパーミットがおりる。完全チャーターと規格ツアーに参加する2パターンがある。目安はランクル1日1台1,000元(13,000円)程度らしいが多少バラつき有。
アリまで片道のみチャーターする手もあるが割高。
私は結局この形を取った。

Aヒッチハイク
途中の開放地区シガツェ、または検問手前の町ラツェまで公共バスで行ってそこからトラックなどをヒッチハイクする。チベットではヒッチハイクが普通に行われており、しかも有料である。基本的に外国人のヒッチは禁止されており、現地人は外人を乗せている事が見つかると多額の罰金を取られるのであまり乗せたがらない傾向にある。実際ラツェの町でヒッチを試みる日本人パッカーに会ったが、彼らはアリ方面の車を捕まえようとしていて3日間全く捕まえられず困っていた。日程に余裕を持ってる&我慢強い人向き。
ラツェ・サガを越えれば屁の河童。

Bラサ−アリ間公共バス利用
西チベットの中心都市アリまで出ている寝台バスで所要3日〜4日。この方法が安価でベストだが基本的に外国人の利用は不可。事前の情報では「運がよければ乗れる」とか「ラツェの検問を過ぎた所で乗せてくれる」など色々あったが、チケットオフィスに行くとあっさり断られた。同時期にラサに居た外国人旅行者もみんなダメっぽかったので渋々諦めた。逆のアリ−ラサ間はOKで400〜600元程度。


A・Bは安価で済むが手間と時間がかかる。もしこの方法でアリまでたどり着けば公安に出頭して300元の罰金+パーミット50元を払い西チベットが旅行できる事になる。その後は郵政トラックなどをヒッチしてグゲ遺跡・カイラス山などに行ける。
しかしアリまでに何箇所か検問がある為、ヒッチだといつ目的地に着くか分からない。

昨年まではBで行く旅行者が多かったようだが、それがNGなので2択になってしまった。

色々考えた結果、@の方法を取った。理由は、
・料金が情報ほど高くなかった。
・車代だけでひとり7・8万円かかると思っていたが以外に安価に収まった。
・途中、好きな場所で写真停車ができる。
・トイレ・買い物も自由自在。
・水・食料などの重い荷物もラサのスーパーで纏め買いができる
などetcである。

旅行会社は10社くらい当たって一番条件の良かったキレーホテル(トイレが汚いキレーホテルで有名)2階の西蔵那曲国際旅行社で頼む事にした。何といってもスタッフのタシさん&テンジンさんが一応日本語を喋る!実はこの地区のランクルツアーは契約内容によるトラブルが多い事で知られており、途中見る予定の観光地を飛ばされたなんて事はしょっちゅうあるらしい。そこで多くの人は英文の旅行契約書を自分で作り事前に取り交わすのだが、トラブルがあった場合日本語を話せればそれに越した事はない。
そこは毎回英文の契約書を交わしているらしく、既にフォーマットがあった。我々は基本文に要望を追加して契約書を交わした。

また、今回のルートを旅行する場合4枚のパーミットが必要だが、その取得に最大1週間かかる。取得期間が2日間と最速だったのがこの会社でそれも決める上で重要なポイントになった。我々は6/27に申し込んで6/30に出発ができた。7月になると雨季が始まるので1日でも早く出発したかったのだ。エベレストBCまで行って山が見えないのは寂しすぎる・・・

長期になるので旅行の成功には実際の車とドライバーの質も欠かせない。その旅行社の持っている全車両(座り心地・エンジンルームなどもチェック)とドライバーを見せて貰い、指名できる条件で契約をした。それでも中には当日打ち合わせと違う車が来る場合もあるという。

メンバーはベトナムで知り合ったS君、敦煌で会ったN君、そしてラサでもうひとり捜した結果T君が見つかり合計4名で行く事にした。西洋人とシェアすることも考えたが、チベット旅行では食や文化の違いで意見が合わない事も多いし、英語のできるドライバーは高い(西洋人はツアー中英語が通じないと発狂する!)ので今回は敬遠する事にした。

チャーター代金は17日+予備(病気など)2日の19日契約で旧式ランクル(90年式)1台13,600元(約176,800円)。一人当たりだと3,400元(44,200円)、これが高いか安いかは終わってみないと分からない。しかし過去の情報をみると比較的安く済んでいるようだ。


ココから↓はデータ集。

出発前の予定日程表   

日次 行    程 観 光 地
ラサ⇒ギャンツェ ヤムドク湖・ギャンツェ城・白居寺
ギャンツェ⇒シガツェ⇒ラツェ タシルンボ寺
ラツェ⇒エベレストBC エベレスト山
エベレストBC⇒オールドティンリー エベレスト山
オールドティンリー⇒サガ -
サガ⇒バルヤン --
バルヤン⇒タルチェン(カイラス拠点) -
カイラストレッキング カイラス山(三大聖地)
カイラストレッキング カイラス山
10 タルチェン⇒メンシ ティルタプリ(三大聖地)
11 メンシ⇒ツァンダ -
12 ツァンダ⇒グゲ遺跡⇒ツァンダ グゲ遺跡
13 ツァンダ⇒マナサロワール湖 マナサロワール湖(三大聖地)
14 マナサロワール湖⇒バルヤン --
15 バルヤン⇒サガ -
16 サガ⇒ラツェ --
17 ラツェ⇒ラサ -

※行程はアリ経由の北廻りではなく道は悪いが距離が近い南廻りルートを取った。実際には天気・健康にも恵まれガンガン旧式ランクルを飛ばしてもらったので4日間も短縮し13日間で終える事ができた。新型ランクルより通常速度が20km/h程度遅い旧式ランクルでは最速の行程だと思われる。

実際に行動した日程表   
日次 行    程 観 光 地
ラサ5:30=8:50ナンカルツェで朝食9:30=ヤムドク湖=12:10白居寺13:20=13:40ギャンツェ城14:15=14:30昼食15:20=17:00シガツェ ヤムドク湖・ギャンツェ城・白居寺
午前:タシルンボ寺観光 シガツェ12:30=16:30ラツェ タシルンボ寺
ラツェ8:20=ラクパ峠(5220m)10:00=12:00シェーカルで昼食13:15=ミニバスに乗り換え16:00=ロンボク寺17:00・・・徒歩・・・19:00エベレストBC エベレスト山
エベレストBC10:00=10:50ロンボク寺11:00=11:45ランクルに乗り換え12:00=14:50オールドティンリー エベレスト山
オールドティンリー8:10=自然保護区ゲート10:30=サガ15:40=19:20ドンパ -
ドンパ8:10=12:10チベタンテント村で昼食13:25=検問14:30=マユム峠15:10=19:15タルチェン(カイラス拠点) --
ホテル8:30・・・チュクゴンパ10:30・・・タムディンドンカン13:00・・・14:00ディラプクゴンパ向かいの小屋 カイラス山(三大聖地)
小屋9:30・・・12:00ドルマ・ラ12:30・・・13:10シャプジャダクトク13:30・・・ズトゥプクゴンパ16:30・・・19:00タルチェンのホテル カイラス山
タルチェン9:15=11:00メンシで昼食11:40=18:10ツァンダ 土林・チョルティン群
10 ツァンダ8:30=9:40グゲ遺跡12:20=13:15ツァンダで昼食14:25=20:15メンシ グゲ遺跡
11 メンシ8:30=8:45ティルタプリ9:15=9:35朝食10:20=13:00マナサロワール湖13:20=マユム峠16:00=検問16:45=20:00バルヤン ティルタプリ・マナサロワール湖(三大聖地)
12 バルヤン8:10=14:00サガ15:10=検問15:15=サンサン20:00=23:00ラツェ --
13 ラツェ8:45=12:40シガツェで昼食13:20=18:30ラサ -

宿泊施設の一覧表   

日次 宿泊地 ホテル名 言い値 決着値 トイレ事情 電灯 シャワー 備   考
シガツェ 旦増(テンジン)ホテル 35元⇒ 30元 室内/個室 おススメ
ラツェ ファーマーズホテル 20 室内/穴だけ 従業員に反日兄ちゃんが居る
エベレストBC チョモランマホテル 10 野ぐそ 夜のみ × BCの入口。史上最安宿!
ティンリー ラサホテル 25 20 室内/仕切り有 ろうそく × --
ドンパ ヤクホテル 30 25 屋外/穴だけ 夜のみ × トイレからヒマラヤビュー
タルチェン カイラスヤクホテル 60 30 屋外/穴だけ 夜のみ × トイレが世紀末・・・
カイラス ディラプクゴンパ向かいの小屋 30 25 野ぐそ 夜のみ × 夜寒い!頭痛い。
タルチェン カイラスヤクホテル 30 25 屋外/穴だけ 夜のみ × --
ツァンダ 古格賓館 90 75 屋内/仕切り有 × -
10 メンシ 美満招待所 30 26 屋外/穴だけ 夜のみ × おススメ
11 バルヤン タシホテル 30 25 屋外/穴だけ ろうそく × おススメ
12 ラツェ ラツェ賓館 25 屋内/穴だけ × --
※ラツェのホテルは一応シャワー施設があった。しかし故障が多く使用は流動的。

支払い明細表
用 途 支出(合計・元) 支出(ひとり) 備 考
車代 13,600 3,400 旧式ランクル・ドライバー1名ガイドなし
その他交通費 805 201 ※別表1
宿泊代 1,325 331 上の表を参照
食事代 1,389 348 食事26回分
入場料 1,105 276 ※別表1を参照してね
ラサにて買出し分 313 78 ※別表2を参照してね
その他雑費 300 75 ドライバーのラパさんにチップ
合計 18,837 4,709 一人当たり約61,220円

※別表1 交通費・入場料一覧
名 称 共同会計
/4名分・元
個人会計
(×4名)
備 考
白居寺 - 25 通常40元を値切り25元。
ギャンツェ城 -- 30 --
タシルンボ寺 55 - 3名は突破し無料。1名のみ支払ったので頭割り。
エベレストBC入山料 -- 65 --
エベレストBC入山料(車) 405 - 車両通行費
EBC内ミニバス -- 80 ロンプクゴンパまでの約30km間
EBC内バイク - 10 翌朝EBC〜ロンボクゴンパ間7km、3ケツ×2台
国立公園入域料 -- 25 シシャパンマ山周辺保護区
国立公園入域料(車) 40 - 同上 車両通行費
グゲ遺跡レター代 -- 10 --
グゲ遺跡入場 10 105 -
合計 510/4名 350 ひとり477.5元(約6,208円)
※本来はカイラス入山料(50元/人)が必要。たまたまドライバーがタルチェンの公安と友達だったので払わずに済んだ。


※別表2 買出し内訳
名 称 数 量 備 考 / 結 果
1.25×48本 ペットボトル4箱分/結局1箱余る
オレンジジュース ひとり4本 ペットボトル1.5L。ちょうど飲みきる。
カップラーメン ひとり8個 今麦朗がおいしい/ひとり2個位余る
トイレットペーパー 1袋(12個) 使い切る。
フルーツ缶詰(瓶詰め) 4瓶 途中で2瓶液体が漏れる。要注意!
クッション 4個(8元/1個) おススメ!お尻快適※注1
ろうそく 4本 使い切る。もう少し欲しかった。
チョコレートスナック 30本 「うまい棒」みたいなヤツ。完食。
3袋 朝のコーヒー飴は最高!完食。
スナック系 お徳用4箱 腹持ちの良いもの、たまに朝飯。完食。
スニッカーズ ひとり2個 お腹がすいたらスニッカーズ♪完食。
ウインナー ひとり6本 中にとうもろこしが入ったヤツ。カイラスで少し犬にあげる。完食。
ポークの缶詰 2缶 途中で存在を忘れられる。丸々余る。


※注1.クッション投入で車が1ランクUP!ラサの布団屋で売ってます。私はシガツェでもうひとつ買い足した。


その他気付いた事、etc
・寝袋は持っていったけど使わず。カイラスも重いので宿に置いていった。
・レストランで英語メニュー(菜単)を出されたら中国語メニューに替えてもらおう。英語メニューは割増料金。
・マスクやバンダナが合った方がいい。砂埃対策。
・中国のカップラーメンまずい。腹は壊さんけど食欲は無くなる。
・日本から持ってきた食料や薬の袋が膨張して穴が開くことがあるので注意。
・獰猛なチベット犬に襲われたら石を投げる格好をすると良い。


途中にあった公安の検問所 必要な人もいるでしょうから・・・
往路
@シェーカルを数km越えたところ(パスポートチェック有)
Aラツェ市内を西に2km位越えたところ(ドライバーと雑談のみで通過)
Bオールドティンリーに入る10km位手前。中尼公路に交わる手前の小さな町。(雑談のみで通過)
Cマユム・ラの東20km手前(パスポートチェック有)
新米の公安員で時間がかかったマユム・ラ周辺。
Dムンツォルの街外れ(アリ側・ドライバーのみ身分証明書チェック)
往路のみチェック。復路は素通りのムンツォル。
※ラツェ検問は以前の場所から街側に移動したらしい。
※サガの検問は町西側の橋を南から渡ってきたので通過せず。


復路
@マユム・ラの東20km手前(パスポートチェック有)
Aサガの東側町外れ(パスポートチェック有)
サガのチェクは一番厳しい。
Bラツェ市内を西に2km位越えたところ(ドライバーと雑談のみで通過)

※旅行人チベットに記載されている南周りの公安検査所「ドンパ・バルヤン・ホルチュ・バルガ・ツァンダ」は無くなっており、代わりに上記の場所が作られていた


 
2005年7月14日