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        衝撃!サンエクリプス(皆既日食)
 
         
 
 
 
 
※皆既日食(サンエクリプス)とは、
太陽−月−地球が一直線に並ぶため、太陽が月によって完全に覆い隠されてしまう現象のこと。
皆既日食の瞬間、地球に月の大きな影が映し出される状態となり、昼間であっても夕闇のように暗くになる。


数年に一度世界のどこかで運がよければ見られるという皆既日食。今回は2006年3月29日にトルコやエジプトなどの一部地域で見られるという事で日程を調整してトルコの観光名所カッパドキアを訪れた。
カッパドキアはトルコ中部のアナトリア高原に広がる大奇岩地帯、火山活動と浸食作用によって創りだされたキノコやマッシュルームの形をした岩が無数にそびえ立つトルコ随一の観光地。

今回は世界遺産カッパドキアを観光しながら奇岩にまみれて皆既日食までも見てしまおうという随分欲張りなプランである。
( ̄ー ̄)フフフ


このあたりは冬場マイナス20度になるという厳しい気候の地域でつい1週間前までミゾレが降っていたが、我々が到着したエクリプスの3日前からは晴天が続き当日も雲ひとつ無い快晴。


日食とはいうものの、実はいまいち何が起こるのかピンと来なかったのだがとりあえずテンションを上げて世紀の瞬間に臨んだ。

太陽を直接見るため、専用の紙製サングラス(サンシェイド)を2リラ(180円)で購入。
当日はものすごい観光客が押し寄せていたが、その大半が景色の良い丘の上に行くようだった。
我々(私を含む4人)は感動を自分達だけで楽しむ為、トレッキングで誰も居ない谷の底から見物する事にした。

現地時間午後1時頃からじわじわと部分日食が始まった。

日食は約1時間ほど掛けて月が徐々に太陽を隠していく。
その変化はサンシェイドを通して見れば分かる程度で、肉眼では特に変化は感じられない。
サンシェイド越しの画像
結構暇なので5分1回くらいのペースで見ることにした。部分日食は小学校の時、半透明の下敷きを使って見た覚えがあるのでそれほど新鮮ではない。

サンシェイドを付けて空を見上げる姿は結構間抜けだ。
やたらと口が開いてしまう。
しかし、太陽の4分の3が欠けた頃から徐々に変化が現れた。

当日は快晴で気温も20度を越えていたのだが、なぜか段々冷えてきたのだ。
また、心なしか肉眼で見ても辺りが暗くなっているような気がする。本当に若干程度だが太陽が隠れてきたせいだろうか。

5分の4が欠けた頃、ハッキリと寒さを感じる様になった。イヤでもテンションが高まってくる。

そしてその15分後、3分間に及ぶ世紀の一瞬が訪れた。

月が太陽を完全に覆い隠したまさにその瞬間、あたり一面に暗闇に覆われたのだ!

(((( ;゜д゜))))お〜真っ暗だ〜!

空を見ると、
肉眼で黒い太陽が見える。そしてその周りにはプロミネンスと呼ばれる太陽の紅炎が輝いていた。こんな太陽見たことない!!

あたりはまるで日没後の世界、周りの景色が辛うじて見える程度、そして寒い。
しかし今はまさに昼の2時。
夢の世界に居る様だ。


イエスキリストが十字架に架けられた日にもこの現象が起こったと言われているが、これを見た当時の人々は間違いなく
「神が怒っている!」と思ったに違いない!

肉眼でも黒い太陽が確認できる。

明らかに私の鼓動は高ぶっている。(O.O;)

予め情報で分かっていたのにもかかわらずちょっと恐怖を感じた。

写真を撮ったり、「スゲー!」と奇声をあげたりしているうちに3分間の天体ショーは終わりを告げた。

その終わりには太陽が月の影から再び光を取り戻す瞬間にまるでダイヤモンドの指輪の様な形と光となって見ることができる
「ダイアモンドリング」という現象が肉眼で見る事ができた。
その美しさは例えようがないくらいきれいな光で、全員が
「うわぁぁぁ〜〜!」という声を上げた。

その一瞬が終わるとそれまでの暗闇が嘘のように快晴の午後2時の明るさが戻ってきた。


アンビリーバブル!スゴイ!ヤバ〜イ!v(≧∇≦)v

4人はそんな言葉を何度も繰り返しながら宿まで夢心地で宿への帰路についた。
エクリプスが終わった数日後の今でも思い返すとドキドキする。

アフリカ南下を変更し北上した事によってこの体験をすることができた。運命に感謝である。

数年後、次は種子島でこの現象が見れるとか。今から皆で晴天を祈りましょう!




 
2006年3月31日
 
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